活動記録

地域
治療技術の進展やライススタイルの変化によってがんを抱えて生きるひとが増えている一方、少子高齢化が進む日本も中国も、親族や地域の繋がりが希薄になっているなかで、がんを抱えた患者やその家族が多くの困難に直面しながらも孤立していることが多く見受けられます。感染症と異なりがんはこれまで個人の病気とされ、地域で取り組む実践がなされてきませんでした。がんイコール死病としてスティグマ化されていることも多いなか、
誰にでも起こる病気として、臆することなく、がんについて語り、支えあう地域コミュニティーはどのようにして作り上げていけばいいのでしょうか? 
 コロナによって多くの地域医療は疲弊し、現在、がん医療へさける人的リソースも乏しい
ことも現実です。そこで、既存ではあるがこれまでがんやヘルスケアと結びつけられていなかったネットワークを活用し、国際的な学び合いを起爆剤に、地域のネットワークを日本
中国それぞれにおいてアップデートします。


 
 
 
学校
 子供たちにとって、がんはどんなものでしょうか?日本においては、近年多くの学校でがん教育がなされるようになってきましたが、どこか大人の都合でなされる教育だったり、必ずしもそれらは、子供たち目線のものではありませんでした。当法人はこれまでJICA草の根支援事業などを通し、日本と中国の教育現場に関わってきましたが、これはその反省にたっていえることです。
 子供たちが自分事として、暮らしをふりかえり、それによって、自分のからだは自分のくらしと繋がっていること、そしていのちがどのようなものに支えられているかを学びます。また、地域の民話や昔のひとのくらしを学ぶことで、ひとがやまいとどう向き合い、生き延びてきたかも学び、地域や国を超えて、がんという今日的なテーマをともに考えることで
子供たち自身の考えとして、どんな未来があってほしいとおもうのかを考え、議論する機会を持ちたいと考えています。

職域
日本においては、生涯のうち二人に一人、特に男性は三人に二人ががんをわずらい、中でも60歳以上になると飛躍的に罹患率が上がることが知られていますが、医療の発展により以前のような短期で死亡する病ではなくなり、中長期的に治療を続けて病気と付き合いながら生存するケースが増えているが、その状況は中国においてもかわりはないといえます。それゆえがんが企業経営に与える影響はより長期に渡り、大きくなってきているともいえます。職域のがん対策は健康経営という観点から日本においては、注目をされていますが、まずは、地域社会をリードする企業経営者の方々ががんに対する正しい理解を持った経営者として価値を発揮し、適切な施策によって企業経営や地域社会の安定化に寄与する助けとなることを、はじめの共通目標としたいと考えます。